【2025年の崖対策】DX実現に向けたレガシーシステム脱却完全ガイド

IT・DX更新:2025.11.21

目次

    DX実現を阻む「2025年の崖」とは

    「2025年の崖」とは、日本の経済産業省が提唱した、日本企業が直面するデジタルトランスフォーメーション(DX)に関する深刻な危機を指す言葉です。

    この概念は、企業が古いシステム(レガシーシステム)に依存し続け、DXを適切に進められなかった場合、2025年頃に大きな経営リスクや損失が発生する可能性が高まるという警告を表しています。

    「2025年の崖」の主な要因は下記の4つです。詳しく見ていきましょう。

    「2025年の崖」の主な要因.1:レガシーシステムの維持とコストの増大

    企業の多くがレガシーシステムと呼ばれる、何十年も前に導入された古いシステムを使い続けています。これらのシステムは技術的に時代遅れで、保守が難しくなり、運用コストも高騰しています。このまま放置すれば、ビジネスの競争力が低下し、システム障害が頻発するリスクが高まります。

    「2025年の崖」の主な要因.2:IT人材の不足

    レガシーシステムを維持し、DXを推進するためのIT人材が不足しています。特に、最新のデジタル技術に精通し、ビジネス変革をリードできる人材の確保が困難です。これにより、システムの刷新やDXの進展が遅れる可能性があります。

    「2025年の崖」の主な要因.3:最新のデジタル技術(クラウド、AI、IoTなど)への適応不足

    最新のデジタル技術(クラウド、AI、IoTなど)は急速に進化していますが、これに適応できない企業は市場の変化に対応できず、競争力を失うリスクがあります。

    レガシーシステムは古い技術で構築されており、最新のデジタル技術(クラウド、AI、IoTなど)と互換性がありません。

    このため、新しいデジタルソリューションを導入する際の障害となってしまうのです。

    データ活用やクラウド化、AIやIoTなどの導入が遅れると、企業の生産性や意思決定力に悪影響を及ぼします。

    「2025年の崖」の主な要因.4:セキュリティリスクの増大

    システムの古さは、そのままセキュリティ問題に直結します。事故や災害などで予想外のトラブルがあった場合、データが消滅・流出するリスクは避けられません。

    古いシステムは最新のセキュリティ対策が施されておらず、サイバー攻撃のリスクが高まります。データ漏洩やシステム侵入の危険性が増すため、セキュリティ面での脆弱性が大きな問題となります。

    経済産業省が警告する「2025年の崖」の経済的な損失とは

    経済産業省の試算によれば、2025年までに国内でDXを実現できなければ、日本において最大で年間12兆円の経済的な損失の可能性があると警告しています。

    これを「2025年の崖」と呼び、企業がDXを進めるための強い危機感を促すとともに、2025年までに集中的にDXを推進させることが政府の方針となっています。

    (※参考①)

    DX実現のためにはレガシーシステムからの脱却が不可欠

    DX実現のためには、企業の成長を阻害する要因となり得るレガシーシステムからの脱却が不可欠です。

    企業や組織が長期間にわたり使用してきた古い情報システムやソフトウェアは、導入当初は最新の技術や業務ニーズに対応していましたが、時間の経過とともに技術が進化し、業務プロセスや市場の要求も変化したため、次第に時代遅れとなっています。

    レガシーシステムは、ドキュメントが整備されていない、システムの老朽化が進んでいるなどの問題を抱えている場合も少なくありません。
    その結果、システムが肥大化・複雑化し、どこから手をつけていいのかわからないブラックボックスとなっているケースもあります。

    また大企業で事業部門ごとにシステムを個別に構築しているような場合は、蓄積された大量のデータを横断的に活用することもできません。

    変化し続けるビジネスの世界を生き残るためには、いかにレガシーシステムから脱却し、うまく最新のIT技術を取り入れることができるかにかかっているといえるでしょう。

    DXを実現した場合のメリットとは

    DXの実現には多くの課題がありますが、その反面、実現できればビジネスや経済の面でさまざまなメリットがあります。

    例えば、経済的な効果においては、2030年には130兆円を超える額で実質GDPを押し上げるという予測があります。DXは日本経済に大きなインパクトを与えることができるのです。

    具体的なテクノロジーとしては、調査会社の米IDCが提唱しているコンセプト「第3のプラットフォーム」が注目されています。これは「クラウド」「ビッグデータ」「モビリティ」「ソーシャル」という4要素によって形成される情報基盤です。これらを利用して新しいサービスや新しいビジネスモデルを作り出していくことが期待されています。

    DXを実現した場合の企業にとってのメリットとしては、レガシーシステムを仕分けし、不要なものを廃止して業務の効率化を実現できることが挙げられます。レガシーシステムの維持にかけていたコストや人材は、新しい技術分野にまわすことが可能です。

    DXによって取得したデータを有効活用できるようになれば、経営判断をスピーディーに行い、方針転換や事業展開を迅速に行うことができます。AIやディープラーニングなどの最先端技術を駆使して、デジタルを中心とした新たなビジネスやサービスを構築する可能性が広がるでしょう。

    こちらの記事もおすすめ:【DX推進に新たな一手】 外部人材により加速する「攻め」のデータサイエンス

    DX実現に向けた対策

    DXはさまざまなメリットをもたらすことがわかりましたが、では、企業は具体的にどのような対策を実行すればよいのでしょうか。

    経済産業省は「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」や「DX推進指標」など、企業が円滑にDXを推進できるよう指針を示しています。これらの指針を活用することで、DX実現への方向性が見えてきます。

    (※参考②)(※参考③)

    「DX推進ガイドライン」においては、DX推進のための経営のあり方、仕組みとして、下記の項目が挙げられ、それぞれについてチェックすべきポイントを説明しています。

    • 経営戦略・ビジョンの提示
    • 経営トップのコミットメント
    • DX 推進のための体制整備
    • 投資等の意思決定のあり方
    • DX により実現すべきもの: スピーディーな変化への対応力

    また、DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築については、1 体制・仕組みと2 実行プロセスの2つに分け、同ガイドラインのなかで、それぞれ以下の項目についてチェックすべきポイントを説明しています。

    1 体制・仕f組み

    • 全社的な IT システムの構築のための体制
    • 全社的な IT システムの構築に向けたガバナンス
    • 事業部門のオーナーシップと要件定義能力

    2 実行プロセス

    • IT 資産の分析・評価
    • IT 資産の仕分けとプランニング
    • 刷新後の IT システム:変化への追従力

    また、「DX推進指標(サマリー)」においては、「DX推進の枠組みに関する定性指標」、「ITシステム構築の枠組みに関する定性指標」、「DX推進、ITシステム構築の取組状況に関する定量指標」を提示し、これらを次の3つに活用することを勧めています。

    • 認識共有・啓発
    • アクションにつなげる
    • 進捗管理

    こうしたガイドライン、指針を踏まえてDX推進の手順・ポイントをまとめてみました。

    DX推進の手順・ポイント

    まず初めに必要なのは、経営層が自社のシステムの現状と課題を把握することです。

    そして現状と課題を把握した後に、適切なガバナンスが行えるよう指標を「見える化」する必要があります。

    • DXを推進する場合、技術的にどのような負担があるのか
    • DXを推進する場合、既存のデータはどの程度活用できるのか

    など、現状の情報資産を確認します。

    レガシーシステムの刷新や実行プロセスの進捗状況を把握するために、社内でのガイドラインを用意しておくことも大切です。システムの刷新や新たな技術の導入を行う際に、ガイドラインによって目的やプロセスを明示し、組織としてどのような方向に向かっているかを、全社的に共有しましょう。

    ガイドラインがあれば、経営層や株主に対するチェックリストとして活用もできます。

    そしてこのガイドラインは、目指すべきシステムのゴールイメージになります。システムを刷新する前に、レガシーシステムの不要な部分を破棄することも大切です。

    最後に、社内でのスキルを持った人材の育成や確保も重要です。最新のテクノロジーを導入しても、それを使いこなせる人材がいなければ意味がありません。将来への投資と考えて、人材育成に力を入れましょう。社内で使うスキルを標準化し、認定制度を導入するなどの対策が考えられます。

    DX実現に向けて企業が取り組むべき3つのアクションとは

    経済産業省が令和4年7月に公式発表した「DXレポート 2.2」の中で、企業が取り組むべきアクションとして次の3つを提案しています。

    • デジタル技術は収益を増やすために使うべきであること
    • 従業員にどう行動すべきか具体的な指針を示すこと
    • DXに対する価値観を外部に発信すること

    ひとつひとつ詳しく確認していきましょう。

    デジタル技術は収益を増やすために使うべきであること

    「DXレポート 2.2」の中で、デジタル技術は、効率化やコスト削減だけでなく、収益拡大を目指して使うべきとしています。

    新規デジタルビジネスを立ち上げることで収益拡大を目指すことはもちろん、デジタル技術の導入によって、既存ビジネスの付加価値を向上させることも可能です。

    従業員にどう行動すべきか具体的な指針を示すこと

    経営者はビジョンや戦略だけでなく、従業員がどのように行動すべきかを具体的に示す「行動指針」を提供することもDXをスムーズにするためには重要なことの一つです。

    トップがビジョンや戦略を発信しても、社員が新しい働き方に順応できなければせっかくの変革が立ち消えとなってしまうこともあるでしょう。

    変革をスムーズに進めるためには、デジタル技術をどのように日常業務に取り入れるべきか具体的にとるべきアクションを示すことで、確かな変革のアプローチになります。

    経営者は同じ目標を持つ企業と協力して変革を進めること

    一社だけでDXを進めるのは難しいことが多いため、経営者はDXに対する価値観やビジョンを外部に発信し、同じ目標を持つ企業と協力して変革を進めることが求められます。こういった、リソースの共有し、互いに作用しあうことで、大きな成果が得られるでしょう。

    これらを実現するために、企業が「デジタル産業宣言」を策定することを提案。

    さらに、その宣言が効果的に機能するように、デジタルガバナンス・コード(デジタル技術を活用した経営のガイドライン)に組み込むことも検討されています。

    つまり、企業はデジタル技術をただの効率化手段とせず、経営の中核に据えて、新しい収益モデルや価値観を持った仲間と共に変革を推進するべきだ、ということです。

    (※参考④)


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    DXはビジネス成功への必須前提条件

    2025年までにあまり時間はありませんが、それまでにもテクノロジーはまだまだ進化するでしょう。

    DXに関連する専門知識を持つ人材が社内にいない場合には、そうした知識のある外部の人材を活用するのもひとつの方法です。

    必要に応じてそうした方法も検討しながら、DXを積極的に進めて社会の変化に対応し、ビジネスを進化させていきましょう。

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    【プロ人材導入事例】全社的なDXに向けて啓蒙活動を推進

    【プロ人材導入事例】ハンズオンの支援でスピーディーに社内規程を刷新

    参考:

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