企業の経営課題や専門的な業務を解決する手段として、顧問を活用するケースは増えています。
しかし、実際に契約を検討するときに多くの担当者が気になるのは、「顧問の報酬はいくらなのか」「契約形態によって相場はどの程度違うのか」といった点でしょう。
顧問といっても、経営顧問・技術顧問・法律顧問など役割はさまざまで、報酬体系や待遇も変わります。
そこで本記事では、内部顧問・外部顧問・種別ごとの報酬相場をご紹介します。
それぞれの報酬相場を参考にしつつ、顧問契約の判断材料としてお役立てください。
この記事でわかること
- 顧問の種類や契約形態ごとの報酬相場
- 顧問の報酬の源泉徴収の有無や契約方法による留意点
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顧問の種類と支払う報酬の相場
ひとくちに「顧問の報酬相場」といっても、その内容は顧問の種類や役割によって異なります。
顧問を大別すると、内部顧問と外部顧問の2種類です。

外部顧問の範囲は広く、経営・新規事業をサポートする経営顧問や営業支援を行う営業支援、法務・税務といった士業による顧問弁護士、顧問税理士など多岐にわたります。
各顧問の報酬相場を把握することは、適正な顧問料の設定だけでなく、モチベーション維持や成果の最大化にも直結します。また、相場感を持つことで「過剰なコスト支払いの回避」や「投資対効果の見極め」が可能になるでしょう。
ここからは、内部顧問と外部顧問にわけた上で、それぞれの報酬相場を解説します。
内部顧問の報酬の相場
一般的に内部顧問は、企業内で「役職を退いた人物」の就任が多いでしょう。現役社員が内部顧問に就任するケースがあるものの、その場合には、役員と顧問の兼任が一般的です。
また、内部顧問の報酬は企業によって異なり、常勤または非常勤でも変化します。
産労総合研究所のアンケートによると、内部顧問の年間における平均報酬相場は以下のとおりです。
<内部顧問の年間平均報酬の相場>
- 常勤…675万円
- 非常勤…498万円
ただし、上記の数値は2010年頃のデータであるため、現在は数値が変動している可能性もあるでしょう。
出典元:役員報酬の実態に関するアンケート調査(株式会社産労総合研究所)
内部顧問の顧問料設定では、報酬相場と照らし合わせつつ、顧問が企業に所属していた頃の報酬を参考にするケースも見受けられます。
また非常勤の場合には、「所定の日数のみ」「特定の曜日だけ」「相談ごとが発生したタイミングのみ」など、幅広い働き方をする点が特徴です。そのため、常勤の外部顧問と比較すると、報酬相場にバラつきが出やすくなります。
外部顧問の報酬の相場
外部顧問は、経営や営業から、弁護士・税理士などの士業まで幅広く活用されています。
契約は、顧問紹介サービスなどを利用した契約が主流ですが、直接契約も可能です。ただし、直接契約の場合は、社内のリソース確保や契約書作成などのリソース負担が発生する点に注意が必要です。
また、顧問弁護士や顧問税理士については、顧問紹介サービスを通して探すこともできますが、最終的な契約は弁護士事務所や税理士事務所と直接結ぶ必要があります。
以下でご紹介する外部顧問の報酬相場は直接契約する際の一般的な金額であり、契約形態・契約内容・課題・状況によって変化します。

経営顧問
経営顧問に対する契約形態は、以下の3種類です。それぞれの相場を見ていきましょう。
<経営顧問の契約形態>
- 固定契約…必要時にサポートを受けられるよう、毎月一定の顧問料を支払う
- 時間契約…1時間や1日単位でサポートを依頼。単発でのニーズに適する
- 成果報酬…特定業務の完遂によって顧問料を支払う
<経営顧問の月額平均報酬の相場>
- 固定契約…10万~50万円/月
- 時間契約…3万~10万円/月
- 成果報酬…利益に対する10~30%
総じて経営顧問は月10万~50万円が相場ですが、企業規模や経営課題の難度、顧問の実績により大きく変わります。
営業顧問
営業顧問の契約形態は、以下の2種類に大別できます。それぞれの報酬相場を見ていきましょう。
<営業顧問の契約形態>
- 固定契約…常にサポートを受けられるよう、毎月一定の顧問料を支払う
- スポット契約…1件の成果(営業契約など)に対し、顧問料を支払う
<営業顧問の月額平均報酬の相場>
- 固定契約:15万~60万円/月
- スポット契約:10万円/月
営業顧問全体の相場は10万~60万円/月程度です。
支援内容は、実際の営業活動から営業戦略立案まで幅広く、業務範囲に応じて報酬が変動します。
顧問弁護士
顧問弁護士に対する報酬相場は、依頼する側の規模が「大企業」「中小企業」「個人事業主」によって異なります。
それぞれの平均報酬相場は、以下のとおりです。
<顧問弁護士の月額平均報酬の相場>
- 大企業:30万円/月
- 中小企業:10万円/月
- 個人事業主:5万円/月
顧問弁護士の報酬は5万~30万円/月が目安です。報酬額に応じて相談回数や対応範囲が変わり、緊急時の回答スピードにも影響します。
また顧問契約を結んでいると、個別案件発生時の着手金や成功報酬が割引になるケースもあります。
顧問税理士
顧問税理士の報酬相場は、依頼者が「法人」「個人」で異なります。
それぞれの平均報酬相場は、以下のとおりです。
<顧問税理士の月額平均報酬の相場>
- 法人:5万円/月
- 個人:3万円/月
おおよそ3万~5万円/月が一般的ですが、大規模法人では月に5万円超、小規模事業では3万円未満になる場合もあります。
基本業務は税務相談・書類作成・税務代理であり、給与計算・年末調整などはオプション扱いが多い点に留意が必要です。また、多くの場合、決算申告には別途10万~30万円の申告料が発生します。
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報酬は源泉徴収される?

源泉徴収とは、給与や報酬を支払う際に、事業主があらかじめ所得税を差し引き、国に納付する制度です。
個人事業主は、確定申告時に自分で所得税を納めるものの、業務委託契約に基づく報酬については、業務内容によって、源泉徴収の義務が発生します。
たとえば、「原稿作成」や「講演出演」などは、源泉徴収の対象業務です。顧問契約も業務委託契約として扱われるため、契約内容によっては源泉徴収を行う必要があります。
顧問と直接契約を結ぶケースでは、依頼する企業が顧問の業務内容について「源泉徴収の対象か否か」を確認し、適切に源泉徴収を実施しなければなりません。そのため、担当者は、源泉徴収や税に関する一定の税務知識が求められます。
一方で、顧問紹介サービスを利用すれば、サービス会社が税務対応を担うため、企業の負担を軽減できます。
その他、顧問の待遇について
ここまで報酬相場を解説してきましたが、顧問は会社法上の役職ではないため、法律で待遇が定められているわけではありません。そのため、契約形態や勤務形態は企業ごとに異なります。
顧問契約を検討する際は、報酬だけでなく、勤務形態と契約形態もあわせて理解しておくことが重要です。

勤務形態の種類
先述の通り、顧問には元社員などが就任する「内部顧問」と、外部のプロフェッショナル人材にサポートを依頼する「外部顧問」が存在します。
まず、内部顧問の勤務形態は、常勤と非常勤の2形態です。
<内部顧問の勤務形態>
- 常勤…基本的に毎日出勤する
- 非常勤…必要なときだけ出勤、所定の日数・曜日のみ出勤など
常勤も非常勤も、勤務時間や職務内容は、企業によって異なります。また内部顧問の場合、現職の役員と顧問を兼務するケースもあるでしょう。兼務する場合、該当者は「会社法上の役員」として登記されます。
一方外部顧問の勤務形態は、基本的に非常勤です。業務内容は、メール対応・会議出席・相談ごとへの対応など、複数において存在します。また外部顧問の非常勤は、複数社で顧問をするケースも多く、テレワークでの対応や月数回の訪問が一般的です。
契約形態の種類
顧問の契約形態は、雇用契約を結ばず、業務委託契約として締結することが一般的です。
具体的には「委任契約」または「準委任契約」の形を取ります。
<契約形態の種類>
- 委任契約…法律関連の業務を委託する契約(例:弁護士、税理士)
- 準委任契約…法律に関連しない業務を委託する契約(例:経営顧問、営業顧問)
<基本的な契約期間>
- 内部顧問…企業規定によって取締役会で決定
- 外部顧問…1年契約かつ自動更新が主流。3カ月などの短期契約もありえる
これらの契約では、顧問の専門性や知識の活用が大前提ですが、固定契約の場合は、活用機会がなくても一定額を支払う仕組みとなります。
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費用対効果を最大化するなら、顧問紹介サービスの利用がおすすめ
顧問契約を結ぶ際には、顧問のスキル・資格に対する確認・契約条件の交渉・契約書作成の知識といった幅広い対応が必要です。さらに、契約形態・勤務体系・依頼業務などに応じて、報酬金額も変化するため、適切な条件設定には専門的な知識と経験が欠かせません。
とくに初めて顧問契約を検討する場合には、顧問探しから契約書作成・各種調整に至るまで担当者の負担が大きくなりがちです。その結果、十分な比較検討ができず、費用対効果が低下するリスクもあります。
こうした課題を避け、費用対効果を最大化するためには、顧問紹介サービスが有効です。
顧問紹介サービスは、企業の課題や状況に応じて適切な専門人材を迅速にマッチングでき、人件費や人材育成コストを抑制できます。信頼性の高いプロ人材をスピーディに確保できる点でも、導入効果は大きいといえるでしょう。
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近年、顧問は従来の「名誉職」ではなく、経営やビジネスの加速役・新しいアイディアの提供者としてのキーパーソン、そして「成長のための仕組みづくり」に欠かせない存在へと進化しています。
新規事業やDX支援、営業、人事制度など、特定分野に精通した外部顧問を活用することは、企業の成長戦略に直結します。
顧問選びにおいて重要なのは報酬の安さではなく、費用対効果です。自社の課題に最適な人材を見極めることが必要不可欠といえるでしょう。
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よくある質問
顧問の報酬はどれくらいですか?
顧問の報酬は、種類や契約形態、業務内容などによって異なります。内部顧問の場合は、年500万~700万円程度が一般的です。一方、外部顧問の場合、経営顧問や営業顧問の固定契約においては月10万~60万円程度が目安です。また、顧問弁護士は月5万~30万円、税理士は月3万~5万円程度になります。
顧問にはどのような種類がありますか?
顧問を大別すると、内部顧問と外部顧問の2種類です。内部顧問は、特定の専門知識を有する元社員・現役社員、外部顧問は、特定分野に強みを持つ社外のプロ人材が該当します。
顧問の報酬は源泉徴収されますか?
顧問契約は業務委託扱いとなり、業務内容によっては源泉徴収の対象となります。直接契約時は企業が判断・処理を担う必要がありますが、顧問紹介サービスを利用すれば、サービス会社が税務対応を担うため、企業の負担を軽減できます。