中期経営計画に盛り込まれた「イノベーション」の実現が課題
安藤ハザマ様が2018年3月に発表した、2019年~2021年3月期における中期経営計画の基本方針「イノベーションによる成長の実現」において、建設事業を強化し、事業領域を拡大して、未来に続く確かな成長を実現することを掲げました。そのなかでも、事業領域を拡大するために新規事業を創出することを喫緊の課題と捉え、これらの課題に取り組む部署、イノベーション部を新設しました。社内の旗振り役となるイノベーション部長の古川様は会社の考えを次のように説明します。
「当社は安藤建設、ハザマ、それぞれ100年以上続く会社が合併して誕生しました。私たちの事業は請負業。QCDSなどには力を入れてきましたが、自ら考えて企てていくことには奥手で、今まで取り組めていなかった分野だと言えます。目覚ましい勢いで社会が変革してく中で、『我々が生き残っていくにはどうすればよいのか』という問いに対する姿勢が、中期経営計画に盛り込まれた『イノベーション』という言葉に込められています」
もちろんこれまでも、絶えず変化する社会情勢を踏まえて新たな取り組みにチャレンジしてこなかったわけではありませんが、「取り組みといっても、社内の部署単位やワーキンググループで検討はするものの、事業化までは至らないことが多かった」と、新規事業に取り組むことの難しさを指摘します。
「事業領域の拡大、成長の実現」に向け、新規事業に取り組む部署として、古川様をトップとするイノベーション部が創設されたとはいえ、紙ベースの業務スタイルがまだまだ残る業界と企業文化の中でどのようしてその足がかりを見出せばいいのか。「新たな知見やノウハウを獲得する必要がありましたが、セミナーの参加などによる情報収集には限界がある」と古川様は感じていました。
そこで、「経験者から直に知見を得て、そのノウハウを習得することが必要」という考えから、ProShare(プロシェア)の活用が選択肢に上がったのです。
「プロ人材」なら高度なスキルや知見をスポットで獲得できる

安藤ハザマ様でも外部からの人材採用はもちろん行われていますが、「既存事業に関連する人材が中心」であり、ゼロから新規事業を興すいわゆる「ゼロイチ」に強い人材を獲得してきたわけではありませんでした。
そこでProShare(プロシェア)を通じて業務委託契約を結んだのが、フリーランスの立場で活動するコミュニケーションデザイナー黒田悠介さんでした。
こうしたタイプの人材を採用することは、企業にとってリスク要因になる一面を持っていると考えるのが人材採用に関わる方に共通する意見かもしれません。なぜなら専門性が強いために、仮に企業内での新規事業創出を断念するなどした場合、採用した人材の活かしどころがなくなってしまうからです。
ProShare(プロシェア)を活用する一つのメリットには、一時的に高度なスキル、知見、ノウハウを、スポットで企業内に取り込むことができるという面もあります。
また、黒田さんのようにフリーランスの立場で活動をしている人材と企業が直接取引をすることに抵抗を感じる場合がありますが、ProShare(プロシェア)を通じて人材の紹介を受けることで、導入企業側には能力面や信用面でのリスクを軽減できるというメリットも生まれます。
古川様に提供したプロ人材候補は3人。当初社内で候補に上がっていた新規事業分野の知見とネットワークのある人材、新規事業創出の経験が豊富でイチジュウ(1→10)を得意とする人材、そしてゼロイチ(0→1)を得意とする黒田さんでした。このように多彩な人材を迅速に紹介できるのも、長年にわたる実績があってのもの。
この時に候補リストを見たのは経営企画部長と古川様のお二人のみ。古川様は即座に黒田さんを指名したと営業担当は当時のやりとりを振り返ります。
「新しいことに取り組むという最上位の課題がある以上、特定分野に絞った人材で選んでしまっては意味がありません。社内の中にあるアイデアを元にして、新規事業を創出できるのは黒田さんしかいませんでした。」
「今後の取り組みを進めるうえで、ベースとなる考え方や取り組み手法という基礎的なレベルから、話し合いながら模索することができると考えたためでした。コスト面でも問題なく、私どものニーズと合致したサービスでした。」
従来なら想像もできなかったスタートアップとのコラボレーションにまで発展

プロ人材との契約期間は3か月。この期間で、新規事業創出に至る思考法や社内にイノベーションへの機運を高めていけるか。その取り組みが始まりました。
安藤ハザマ様が取り組むテーマに選んだのは、とある廃校の活用事案。黒田さんによると「テーマ設定としては、地域活性化の取り組みとして珍しいものではなかった」と言います。ただし、「課題へのアプローチ方法については、参加する安藤ハザマ様のメンバーの様子を見極め、最適なフレームワークを提示して議論を進めました」と話し、安藤ハザマ様の社内での初めての取り組みがスムーズに進むようにと、黒田さんの知見が活かされました。イノベーション部課長の榊原様は、この期間のやりとりを「大変充実した内容でしたが、黒田さんの宿題は毎回大変だった」と笑顔で振り返ります。
「『事業アイデアを100案出してください』と言われた時は、無理だと思いましたが、『量が質に転換する瞬間が来る』とおっしゃっていたことを実感できた」と語る榊原様に対して、黒田さんは、「3か月という期間でしたから、アイデア出しは事前に行ってもらい、その結果を踏まえてみなさんと議論を重ねました」と当時の様子を述懐する。
黒田さんは自身を、「社内の事情や特有のモノの見方をあえて無視し、思考のフレームを緩めていく役割」と捉え、「自ら『異分子』として振る舞うこと」に徹したと言います。
「出てきたアイデアをどう評価するか。経済合理性で考えれば既存事業には勝てませんし、逆にSDGsなどの社会的価値に軸足を置きすぎるのも営利企業として望ましいものではないですから、それらの価値基準や評価軸を、古川様をはじめメンバーの皆さんと議論していきました」
古川様はそうしたやりとりから新しいアイデアが形になっていく様子を目にして大きな手応えを感じていったと言います。「様々なフレームワークを元に議論を進めて、これに加えて外部の新しい情報が私たちの議論の場にもたらされていく。最終的に特定のスタートアップ企業と協業を検討する段階にまで進めたことは大きな成果でした」。
さらに古川様は、「私たちがこれまで考えたこともなかった評価軸や分析視点で進んでいくことは刺激的でしたし、黒田さんのような外部の方とのやりとりがなければ、私たちが特定のスタートアップ企業と協業するという発想にも至らなかった。黒田さんとチームメンバーとのやりとりでいくつも外部事例を示してもらえたのは外部人材だからこそ。こうした発想と経験を積み重ねていけば、生まれたいくつものアイデアが後に結び付くときがくる」と強調します。
「あえて社外」が会社にイノベーションをもたらす

「やはりインハウスでやっていれば時間がかかる。できることも限られる。オープンイノベーションという時流が示すように、すでに世の中に存在するものは、外から持ってくればいい。コラボレーションして、必要に応じてカスタマイズして、スピード感を持って進めていくことが大切。従来のやり方にこだわりすぎるとスピード感が鈍ってしまうこともある。スタートアップを探してきてマネジメントしてカスタマイズしていくことがあっていいと思います」
このように、イノベーションの実現に向けた取り組みを推し進める古川様は、「『あえて社外』の人に関わってもらうことが、イノベーションのきっかけになるのだと思います」と外部人材活用の価値を指摘します。
今後ますますオープンイノベーションの気運は高まることが見込まれます。そうした多様な業種業界の現場にProShare(プロシェア)は、最適な人材を提供し、企業の課題解決のお手伝いをいたします。
「他部署でもプロ人材を活かせそうな案件がある」と外部の知見導入に積極的な姿勢を見せる古川様と榊原様。イノベーション部が牽引し、業界に新たなインパクトを見せてくださる日もそう遠くないかもしれません。